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(参考)データ交換協定書(参考試案)(JIPDEC、96年3月)(抜粋)

第8条 個別契約の成立

本件取引に関する個別契約は、受注データが伝達された時に成立するものとする。ただし、乙が甲に対して第6条の受信確認を求めた場合には、個別契約は受信確認の受領の時に成立するものとし、かつ甲乙間に別段の定めがある場合には、その定めに従うものとする。

 

(2)電子データの撤回・変更

●契約の撤回・変更についての取決めが必要ではないか

?@電子データの場合、一度送信されると瞬時に相手方に到達するものと考えられ、一旦送信したデータの撤回あるいは変更をなしうるのかが問題となる。例えば、ある商品を発注したが、その発注を撤回する場合、あるいはその商品の数量を変更する場合である。承諾のデータの発信によって、個別的な売買契約が成立し、当事者がその契約に拘束されるとすると、それ以後の発注のデータの変更は原則として認められないことになる。

 

?Aしかしながら、このような発注の撤回・変更が慣習として認められている業界も存在しており、かかる撤回・変更を認めるとすれば、実際の取引形態を見ながら類型化し、各々ごとにその要件を検討する必要がある。

 

(3)電子データの無効・取消

●錯誤、詐欺、脅迫による契約の無効・取消等の民法の規定は電子商取引においても適用されるのか

●簡単な入力ミス(錯誤)への対処が必要なのではないか。

?@民法では、内心の意思と表示とが食い違っている場合(錯誤)あるいは意思と表示は一致しているが意思の形成過程で瑕疵のある場合(詐欺・強迫)に、法律行為あるいは意思表示を無効あるいは取り消しうるべきものとして、表意者を保護している(民法第95条、96条)。また、無能力者が単独でした行為についても取り消しうるものとしている(民法第4条第2項、第9条、第12条第3項)。

 

 

 

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